お正月が近づいて
二人でおせち作ったのを思い出して。
大学生の頃
二人で仲良く作ったよね。
煮物、酢の物、ぶりの照り焼き、、、、
有頭海老は串をさして曲がらないように塩茹でしたり
数の子は塩抜きしておかかまぶして、黒豆入れて
色々二人で考えて、きれいになるようにお重に詰めて
そうだ、栗きんとんも作ったよね、ちょっと足りないから
サツマイモ入れてかさふやしたり、さらしで、きゅっ!と絞ってね。
でも、なかなか旨くできなくて。
お店のように、小さくて可愛いのじゃなくて
妙に大きいお化けの栗きんとんみたいになっちゃったよね。 
でも、おいしいからってお父さんに言っておいたよね。
それから、ぎんなんを妻楊枝に一つ一つ通したら
可愛い緑色の小さい串団子みたいのができたよね。 
綺麗な緑で食べるのがもったいないようなのが。
食べるのは簡単だもんね。だから家族の分だけしかできなっかったよね。
それは、全部☆☆ちゃんが作ったよね。一個一個丁寧に通してね。
お母さんも食べるのがもったいなぁって思って、でも食べたよ。
普通のぎんなんだったけど、やっぱりおいしいって思ったよ。
それに、お重の中に翡翠のような緑が並んで、とってもとっても綺麗だったよね。
完成したら、記念写真も撮って、出来るだけおいしそうに見えるようになんて
あっちから、こっちからって、何枚も撮ったりしてね。
楽しかったから、ず〜っと大晦日ならいいなって思ってたよ。
やっぱり、楽しいお正月を待ちながら☆☆ちゃんとおせち作るなんて
最高だったもん。 お正月が終わってまた帰っちゃうからね。
駅で『バイバイッ!』ってするのはいっつも寂しかったからね。
でも、また5月の連休とか、絶対帰省してたし
あの頃は、まだ未来があったよね。 
それでも寂しいなんて贅沢なこと言ってたよね。 
今から思えばね。  また会えたもんね。
『バイバイッ!』しても、また『お帰り!』が先にあったもんね。
今年はおせちは作らないよ。 
ぎんなんも、黒豆も、数の子もなぁ〜んにも買わないよ。
お重はかたつけたまま。。。
寂しくてもお正月は来てしまうね。